【開催レポート】若手地方議員の勉強会で「市役所業務における生成AIの活用」を講演しました

2026年10月28日(水)、豊川市総合保健センターで開かれた若手地方議員の勉強会で、「市役所業務における生成AIの活用」をテーマに講演しました。
豊川市議会議員の中村たいちさんにお声がけいただき、愛知県内の各地から集まった議員の皆さんと、会場とオンラインで約3時間を過ごしました。
開催概要
- 開催日:2026年10月28日(水)13:30〜
- 会場:豊川市総合保健センター 多目的室(オンライン併用)
- 対象:平成生まれを中心とした若手地方議員の皆さん
- 内容:講演60分、質疑応答、総合保健センターの見学
事前アンケートに答えてくださった8名は、全員がすでに生成AIを使っていました。会場で手を挙げていただくと、全員が有料プランに課金していて、ChatGPT・Claude・Geminiに分かれていました。「使うかどうか」ではなく、「どう安全に、どう深く使うか」から話を始められる会でした。
前半:市役所はいま、生成AIをどう使っているか
前半は、行政の現在地を整理しました。
- 都道府県と政令市はほぼ導入済み、その他の市町村は約半数。ただし「導入した」と「使われている」は別
- 職員向けのAIは自治体ごとに違う。閉じた回線の自治体向けAIが多い一方、法人向けのChatGPTやCopilotを使う自治体もある
- 使われない理由は、忙しくて試せない、何に使えばいいか分からない、思った答えが返ってこない、の3つ
- 少人数の勉強会を年100回重ねた例や、良い例・悪い例を配って広げた例など、近隣自治体の取り組み
あわせて、ここ数週間で続いているサイバー攻撃にも触れました。外からの攻撃も、内側からの持ち出しも、ゼロにはできません。だからこそ「起きたときに何を止め、誰に知らせ、どう仕事を続けるか」を先に決めておくことが、使う側の守りになるとお伝えしました。
後半:議員自身がAIを安全に使うために
後半は、議員の皆さん自身の使い方です。
- 個人で使うChatGPTの「モデルの改善に協力する」設定は、オフにしておく
- 市民の声や相談を扱うなら、入力した内容を学習に使わない法人向けプランを検討する(ChatGPT Business、Claude Team、Microsoft 365 Copilot、Google Workspace)
- 職員には生成AIガイドラインがあるが、議員向けのルールを決めた議会はまだごく一部。いまは議員一人ひとりが自分で決める段階
- 演説や答弁でAIの誤った情報をそのまま使い、謝罪に至った海外の例
事前アンケートでいただいた「視察計画をまとめたい」「予算書を比較して論点を出したい」「市民の声を整理したい」という声には、実際にAIで作った結果をお見せしました。視察計画はChatGPTのサイト機能で共有ページまで作れること、予算書は「何を知りたいか」というゴールを先に決めて読ませると、質問の材料になる違いが見つかることを紹介しました。市民の声は、入れていい情報・ぼかす情報・入れない情報の3つに分けて考えます。
質疑応答で出たテーマ
質疑では、現場ならではの質問が続きました。
- 相談の録音を文字にしてAIで報告書にするとき、個人情報をどう考えるか
- ベテラン職員の経験や勘を、AIで次の世代に引き継げるか
- 一般質問の原稿をAIと作っても、思ったほど時短にならない
- ChatGPTのChatとWorkは、どう使い分ければいいか
- 職員の皆さんにAIを使ってもらうには、どうすればいいか
- AIを導入した効果は、何で測ればいいか
たとえば一般質問の原稿については、「時間は同じでも、質は上がっているはず」とお答えしました。そのうえで、仕上がった後に自分の作り方や重視している点をAIに言葉にしてもらい、次回の指示書として残しておくと、2回目からは大きく時間が縮みます。導入効果については、導入前の作業時間を今のうちに測っておくこと、外注していたものを内製できた差額も成果になることをお伝えしました。
総合保健センターの見学
講演の後は、2026年7月に開所した豊川市総合保健センターを見学しました。乳幼児健診のホール、休日夜間診療所、そして災害時に保健医療の対策本部になる研修ホールまで、職員の方に案内していただきました。停電時も使える電話回線や、72時間の自家発電など、災害を前提にした設計を間近で見られる貴重な機会でした。
講演を終えて
市役所の業務も、議員の活動も、人手が減る中で生成AIは欠かせない道具になっていきます。一方で、ルールがないまま個人で使っている状態は、職員の方も議員の方も同じです。使いながらルールを決め、起きたときの止め方を用意しておく。今回はその一歩をご一緒できたと感じています。
お声がけくださった中村たいちさん、ご参加いただいた議員の皆さん、会場をご案内いただいた総合保健センターの皆さん、ありがとうございました。
研修・講演のご相談
合同会社ICHI.では、自治体・議会・企業・団体の皆さま向けに、生成AIの活用と安全な使い方の研修・講演を行っています。参加者の事前アンケートをもとに、その場で使える内容に組み立てます。
お問い合わせ先
合同会社ICHI. 担当者:志水 康太
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