AIスキルの作り方!繰り返し作業を一言で再現する手順を解説

AIスキルとは、AIに登録する「仕事の手順書」のことです。毎回長いプロンプトを書かなくても、一度スキルにしてしまえば「領収書を表にして」の一言で同じ品質の結果を再現できます。作り方の核心は、先にあなたの「正しいデータ」でAIを育ててから、「これをスキルにしてください」と頼むことです。
この記事では、月末の領収書の山を経費一覧に変える作業を例に、スキルの作り方を5つの手順で解説します。
AIの「スキル」とは何ですか?
スキルとは、うまくいったやり取りをAIに手順書として覚えさせ、次回から呼び出せるようにしたものです。
ツールごとに名前と場所が少し違います。
| ツール | スキルに相当する機能 | 登録する場所 |
|---|---|---|
| Claude | スキル(Skills) | スキル作成画面。会話から「これをスキルにして」と頼んでも作れます |
| ChatGPT | プロジェクトのカスタム指示、またはマイGPT | プロジェクトの指示欄に手順書を貼り付けます |
| Gemini | Gem | Gemの指示欄に手順書を貼り付けます |
名前は違っても、やることは同じです。「うまくいく頼み方」を1か所に保存して、次から一言で呼び出す。これがスキル化です。
どんな仕事がスキル化に向いていますか?
すべての仕事をスキルにする必要はありません。向き不向きの早見表です。
| 判定 | 仕事の種類 | 理由 |
|---|---|---|
| ◯ | 毎週・毎月くり返す定型作業(領収書整理、議事録、日報まとめ) | 同じ手順を何度も使うので、スキル化の効果が最大 |
| ◯ | 正解を自分で判定できる作業 | 出力を直した「正しいデータ」がAIを育てる教材になる |
| △ | 毎回条件が大きく変わる作業(個別の提案書など) | 共通部分だけをスキルにし、変わる部分は都度入力に |
| × | 経理の最終判断、税務判断、契約判断 | 判断そのものは人の仕事。AIには下書きまでしかさせない |
領収書の山を経費一覧にするスキルの作り方(5ステップ)
実例で進めます。ゴールは「領収書の写真を渡すと、日付・金額・支払先・費目の候補が一覧表になって返ってくる」スキルです。
ステップ1:まず1回、普通のプロンプトで試す
領収書を机に並べて写真を撮り、AIに渡してこう頼みます。
この領収書を、日付・金額・支払先・費目の候補で表にしてください。読み取りに自信がない箇所は(要確認)と書いてください。
10枚くらいまとめて撮っても、1枚ずつ読み取って一覧になります。手書きの領収書もだいたい読めます。ここでは精度が7割でも構いません。
ステップ2:出力を自分の手で直して「正しいデータ」を作る
AIの出力をコピーして、あなた自身の手で完成形に直します。金額の読み違いを直し、費目を自社の勘定科目に合わせます。
この「直した後の表」が、AIを育てるための教材になります。面倒に感じますが、ここが一番大事な工程です。
ステップ3:AIの出力と正しいデータを比較させる
次の領収書処理のとき、AIの出力と前回の正しいデータを両方渡して、こう頼みます。
前より正確にやってください
あなたが作った表と、私が直した正しい表を比較して、直された箇所とその理由を整理してください。次回から同じ直しが不要になるように、読み取りルールをまとめてください
「もっとちゃんと」のような抽象的な指示ではAIは育ちません。正解との差分を自分で言語化させると、費目の付け方や自社特有の表記ルールをAIが手順として持てるようになります。
ステップ4:「これをスキルにしてください」と頼む
2〜3回くり返して出力が安定してきたら、一言こう頼みます。
ここまでのやり取りでできあがった読み取りルールと出力形式を、次回から再現できるようにスキルにしてください。
Claudeならスキルとして登録されます。ChatGPTなら、返ってきた手順書をプロジェクトのカスタム指示欄に貼り付ければ同じことができます。
ステップ5:次回から一言で呼び出す
翌月からは、写真を渡して「領収書を表にして」だけで、育てた品質の一覧が返ってきます。月末の打ち込み作業が「確認だけ」に変わります。
うまくいかないときのコツはありますか?
コツ1:ルールは「禁止形」で書き直させる。「推測しないで、読めない箇所は(要確認)と書く」のように、やってほしくないことを明文化すると精度が安定します。
コツ2:教材は3〜5件で十分。正しいデータを大量に用意する必要はありません。自社でよくあるパターン(手書き、かすれ、複数明細)を1件ずつ入れるのが効きます。
コツ3:スキルは月1回メンテナンスする。新しい取引先や費目が増えたら、その回の「直し」をスキルに追記させます。使うほど自社専用に育っていきます。
人が必ず確認することは何ですか?
金額の読み取りと費目の最終判断は、必ず人が確認してください。AIが作るのは入力の下書きまでです。経理処理や税務の判断はAIにさせないでください。数字が1桁違えば、信用問題になります。
おすすめの分担はこうです。
| 工程 | 担当 | 内容 |
|---|---|---|
| 読み取り・一覧化 | AI | 写真から日付・金額・支払先・費目候補を表にする |
| 金額の突合 | 人 | 原本と一覧を突き合わせる。(要確認)の箇所を優先 |
| 費目の確定・仕訳 | 人 | 最終判断。迷う取引は税理士に確認 |
現場での気づき:ご相談先の事務担当の方は、月末に2〜3時間かかっていた領収書の打ち込みが、スキル化後は「写真を撮って、要確認の数か所を見るだけ」になりました。効いたのは高度なプロンプトではなく、ステップ2の「自分で直した正しい表」を教材にしたことでした。
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